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【Blog】『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』オーケストラコンサート 2019【京都公演】

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お初にお目にかかります。
お客様がお望みならどこでも駆けつけます。

自動手記人形サービス、
―――ヴァイオレット・エヴァーガーデンです。

ども、ヴァイオレット・エヴァーガーデンの代名詞から始まりましたnaw0です。しばらく更新できておりませんで申し訳ありませんでした。

まとまった文章を中々書く時間が作れなくてですね…。さて、それはさておき。行って参りました。『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』オーケストラコンサート 2019【京都公演】。

本当に。本当に。本当に、素晴らしい時間でした。

指揮に栗田博文さん。演奏に関西フィルハーモニー楽団と豪華なメンバーでの構成も今回ならではの演出で大変素晴らしい構成です。

あの日、あの時、あの瞬間。

あの日の全てがこの世界で一番美しい時間であり、世界に色が塗られた瞬間であり、私の中の人生の中で最も輝いていた時間だと断言できます。

今回の公演場所はロームシアター京都で開催されました。

ロケーションも良く、平安神宮を目の前にし、同じく京都アニメーションさんが手掛けた『響け!ユーフォニアム』の作品内で実際にコンサート会場としても使用された由緒正しい場所でもあります。

環境が抜群に優れており、今回で3回目となるオーケストラコンサートでしたが、重奏で立体的な音色は過去最高のものでした。

聞こえてくる音色も歌声は場所の効果も相まって、今まで聞いたことない音を全身で感じることができました。

音楽、演出、映像の全てを以って構成されているヴァイオレット・エヴァーガーデンを全身の細胞が吸収していくのが分かるんです。

体中の細胞が作品で埋め尽くされるんです。そうなると自然に涙が出てくる。

こんな経験したことがないし、この先一生できないといっても過言じゃない。

こんなにもどうやって表現していいか分からない感情が溢れるってことあるんだな、と思うのです。

さて、それでは本編に触れて参ります。

始まる前に静寂の中で訪れるヴァイオレットの声。そして、Theme of Violet Evergardenから始まるコンサートはSincerelyへ繋がっていきます。TRUEさんの歌声はいつも以上に心に響き渡りました。TRUEさんの声って自分の感覚ですが、紅く見えるんです。

ですが、その日だけは違ったんです。すーーーっと入ってくるかのような水色の音色で。

神すらも震えがらせる歌声は脳髄を蕩けさせるように染みわたり、映像とともに流れることでそれは世界がここしか存在しないのではないかと思わせるほどに、自分たちを作品に引き込んでくるのです。

クライマックスは未だだというのに、すでに涙で顔が濡れていました。

なお、今回はヴァイオレット・エヴァーガーデン役の石川由依さん。そして、ギルベルト・ブーゲンビリア役の浪川大輔さんをファシリテーターに迎えており前2回のコンサートとは少し違う様相で進行されていました。

浪川さんも仰っていましたが、開いた口が乾くくらい躰に溶け渡るんです。キャストさんをMCに向かえることで、こうして言葉で紡がれていくという構成は非常にいいですよね。

音楽から感じ取るだけではなく、言葉を通して思いが伝わってくる演出。たまらなく心に来るものがあります。手紙を、言葉を通して綴られる物語ですから。

そんな物語が進んでいく、音楽で綴られた今回のコンサート。前半は全15曲で構成されておりまして、物語の前半部分で使用されていた音楽たちが流れておりました。

もちろんMCはお二人が出てきて、お話しされていくスタイル。イレギュラーはありましたが、最後の登壇者に応じて、話を展開させていく方式ですね。

前半のセットリストは以下になります。

01.Theme of Violet Evergarden
02.Sincerely / TRUE

------------------MC01------------------

03.A Doll's Beginning
04.A Simple Mission
05.Another Sunny Day
06.The Voice in My Heart
07.Rust
08.Ink to Paper

------------------MC02------------------

09.The Birth of a Legend
10.To The Ends of Our World
11.Back in Business
12.An Admirable Doll
13.hose Words You Spoke to Me
14.The Long Night
15.Letter / TRUE

------------------MC03------------------

序曲といいますか、アニメの時間軸に置き換えれば前半でメインとして使用された曲たちがほとんどです。

クラウディアの言葉を借りれば、まだ心に火傷を負っていながらもまだそれを自覚していない時期。…人を殺し、人の想いを断ち切ってきたヴァイオレットが手紙を通じて、人の心を通じて自分との対話を始めていく時間。

生の音を聞くと、明るさの中に不安を感じるようなそんな気持ちになります。

A Doll's Beginningは特にです。感情が豊かに乗った音は脳を溶かすかのようでした。

静かに始まりながらも躍動していく音。
それはまるで彼女の心のように。

知らなかった言葉を。知らなかった感情を覚えていく彼女の心の成長を、まるで音楽に乗せて知っていくことができるかのように。

そんな楽曲たちはもちろん、作曲者もですが指揮者の腕もあります。MC03では指揮者の栗田博文さんについても浪川さんが触れていました。

後ろからでは見えないと思うが、表情も変えている。
やわらかい表情の時もあれば、険しい表情の時もある。

音楽は見えないが、容作られているのがわかる…、と。

これ、ホントすごく実感出来ました。音を奏でるのは奏者だけど、音を容として届けるのは指揮者なんです。

もう、過去二回とは音が違う。譜面は一緒だけど、指揮者で演出もすべてが変わる。

音が感情を乗せて、人の感情に訴えかけてくる。

作品が好きすぎて、バイアスかかっているかもしれないんですが、この日はその実感がとてつもなく大きかったように感じます。

今年葛飾で聞いた時の感動もとても大きい物でしたが、それ以上に心が動いた時間でした。と、そんなこと思っていたんですが、浪川さんからは

「自分の人生も指揮して欲しい」

なんてアホなこと言って自分の発言ぶっ壊すあたりは流石のMCだなぁと感心しましたよ(笑)

ま、そんな中。

間髪入れず、作曲者のEvan Callさんをお呼びして、トークが展開されていきました。普段聞けないお話が聞けるというのも、こういった催しの醍醐味ですよね。

ちょっと、省きますが話した内容は以下の感じです。

Q:どんなイメージで楽曲制作されたんですか?(石川さん)

A:まぁ、本来はR&Bとファンキーな感じで行こうと思ったんですが…、冗談です(笑)。

プロデューサーの齋藤さんと決めて、イメージを掴んでいきました。

一番最初のPVでイメージが必要とのことで一曲作成しました。思いついたものを出してみたら、斎藤さんからは「いいんじゃない?」と。

元々PVがあって、そこから楽曲を作ったので制作側としては非常に助かりました。世界の色や、動きだとか、雰囲気がすべてヒントになる。それをもとに制作していきました。

ちなみに、参考にしたPVはTV(アニメ)ではなく、原作を紹介するPVでした。その音楽を聞いて、作品の雰囲気を掴むことで音楽を作っていきました。

Q:葛藤や苦しみはあったのか?

A:もちろんあった。アニメの劇伴は90秒くらいが主流だが、齋藤さんとのMTGの中でなるべく長めの曲が欲しいという話になった。

2分半から3分くらい。しかも作曲は40曲くらいしなければならなかった。非常に時間もかかるので、この辺りは大変だった。

やってみたかった曲の中にTormentという曲がある。

この曲は四重奏の曲だが、普段あまりこういった構成の曲は作らないので苦労したが、試行錯誤して思い通りのものに仕上がった。

今回かなりアレンジしているのでぜひ楽しんで聞いてほしい。

Q:劇場版外伝を制作していた際、齋藤さんからEvanさんがスタジオで泣いたという話を聞きましたが、その時はどういった思いだっだのか?

A:収録の際、作品の雰囲気と相まって非常に良い空気の中で収録されていた。とても素晴らしい収録だった。

ちなみに、自分の兄の名前はテイラーなんですけど(笑)。そのテイラーが出てくる外伝の絵がとても綺麗で素晴らしく、収録された自分の音楽が組み合わさることで思わず泣いてしまった。

Q:日本語ぺらっぺらですが、いったいどこで習ったんですか?

A:アメリカで独学で学んだ。奥さんが日本人なので(笑)。

しかし、こういう普段聞けないことを聞けるのは本当にいいですね。どういった思いで、どういったことを感じて、作品と向き合っているのかがわかるのは。

また一つヴァイオレット・エヴァーガーデンのことを知れた感じがするのは、ファンにとってとても嬉しい体験です。

さて、ここを機に舞台は後半に入っていきます。

ヴァイオレットが歩んできたギルベルトがいない間の時間。自動手記人形として過ごしてきた時間。

そんな時間を構成してきた音楽たちで彩られた時間です。

音楽は悲しみにありながらも、決して悲しみだけにとらわれることなく、希望を添えて時が進んでいきます。

後半のセットリストはこんな感じでした。

------------------MC03------------------

16.Across the Violet Sky
17.Wherever You Are, Wherever You
18.Never Coming Back
19.The Ultimate Price
20.Inconsolable
21.Devoid of Hope
22.Torment
23.Fractured Heart
24.Believe In... / Aira Yuuki

------------------MC04------------------

25.Innocence
26.Torn Apart at the Seams
27.The Stench of Fear and Hatred
28.The Storm
29.Letters From Heaven
30.What It Means To Love
31.Violet's Letter
32.みちしるべ / Minori Chihara
33.ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形- 劇中歌 ―デビュタントにて
34.エイミー / Minori Chihara
35.Violet Snow / Aira Yuuki
36.(LINE UP)

全体的に暗い音楽と泣かせる音楽が多かったですが、悲哀を感じる曲が自分は好きなので、後半も非常に気に入っています。

ヴァイオレット・エヴァーガーデンの楽曲たちはアニメ寄りというよりも、クラシックに近いところがありますので、耳にすーーっと入ってくる感覚も心地いいんですよね。

なお、アレンジが聞いた曲も今回ならではでしたので、感極まりましたね。

と、いうのもTormentは普段であれば、ストリングスだけの構成ですがEvanさんが仰っていました通りかなりアレンジが加えられていました。管楽器も加えて、パーカッションも大胆になっていたので、かなりインパクトの強い一曲になっていました。

アレはもう一度聞きたいですね。むしろ劇伴で使って頂きたいくらいなのですが(笑)

あああ、ちょっと曲への想いが強くなってしまいましたが、歌もですよね。

結城アイラさんのBelieve In...。

これがまた、素晴らしい。9話の挿入歌として使われていた曲です。

アイラさん自身もどんなにツラいことがあっても、明日へ向かう勇気を胸に進んでいく。という思いを込めて作詞しました。と、仰っていて正鵠を射ているな、と。

聞き入ってしまうってこういうことを言うんだな、と。表情豊かに歌われているのが、とても印象的でした。

9話はヴァイオレットがギルベルトの死を知る中で、仕事の中で触れ合ってきた人たちと改めて自分の中で邂逅していく話で、とても話としては重いんです。

ギルベルトに救われた命。
そしてそこから自分が繋げてきたひとたちの物語。

物語を通じて、人の心を知り人間として成長していくヴァイオレットは繋げてきた人たちの思いを汲んでいくことで人の感情を知っていきます。自ら断ってきた人間たちも同様に物語があったのだと知るのです。

彼女は自分が多くの思いを受け止め、酷く火傷をしていたことに気付いていくのです。

そんな話を思い出しながら、この曲を聴いたら涙が出ないはずがない。

感情は曲の渦に巻き込まれて、作品と同調しその涙はしばらく止まりませんでした。…そしてその流れは留まりませんでした。

川の流れが止まらないように、Letters From Heavenが流れるんです。

10話の後半で使用された楽曲で、ヴァイオレットがアンのもとを去っていくシーン辺りから流れる曲ですね。その間にはアンが母親のもとを飛び出して、ヴァイオレットに取ってかかるシーンが詰められていました。

「どうして手紙を書くの?」
「人には届けたい想いがあるのです」
「そんなの、、、届かなくていい…!」
「届かなくていい手紙なんてないのですよ、お嬢様」

この流れで始まるLetters From Heaven。反則ですよ。…泣かないわけ、無いじゃないですか。

ストリングスが印象的で。

美しさと悲しさが混じったこの曲で。

何度も泣いたこの話で。

曲調が泣かせに来ているこの曲で。

泣かないわけがない。…

感情が動くっていうのはこういうことを言うんですよね。

その後に演奏されたWhat It Means To Loveも良かったなぁ。流れが完璧だった。

親子愛の流れからの深愛。音楽のハーモニーも相まっていたと思います。

Violet's Letterなんて声出して泣いていたと思う。

ギルベルトの母君と、ヴァイオレットの話しているシーンを思い浮かべていたらさ、また出てくるんだ涙が。

どれだけ泣いてるのって話ですが、元々涙もろい上に、とても想いが深い作品だから感情移入しすぎてしまうんですよ。

だからこの後のみちしるべはとても泣いた。茅原さん、今までで一番力入っていたんじゃないかなぁ。

歌声に情報量が入り過ぎていた。
想いがとても強かった。

最初のアカペラ部分で、鳥肌がすごかった。人間ってこんなに思いを込めて歌えるんだと。

良かったって言葉にするの難しいな。本当に良すぎて、うまく言えないわ。

そんな中、みちしるべが終わるり、拍手が止むと次に流れたのは、ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形- 劇中歌

―――デビュタントで流れた曲だった。

一度生で聞きたかったので、とても気に入った。劇場で聞いた時、聞き惚れてしまった一曲なんです。

あまりにも流麗に進むものだから、時間の流れを感じることがなく、いつの間にか終わっていました。水みたいに流れていくんですよ、この曲。

もう一度聞きたいなぁ。聞く機会が何度でも欲しい。そんな時間でした。

何度でも欲しいのは全曲だけど、エイミーもめっちゃよかった。劇場で観終わった後だからこそ、あの歌詞が心に響くものがあります。

オーケストラで聞けるなんてとても贅沢だよね。そして、最後に締めくくったのはViolet Snow.

これは、私にとってヴァイオレット・エヴァーガーデンを知る始まりの曲でした。

CMで観たあの映像とこの曲を初めて聴いたあの時。私はヴァイオレット・エヴァーガーデンを買おうと思ったんです。

その時のことやヴァイオレット・エヴァーガーデンのこれまでの軌跡が一気に脳裏に流れてきたとき、本当に自分はこの作品が大好きなんだと思いましたね。

愛してるんだな、と。

この作品を自分がこんなにも愛しているんだなと深く実感できましたね。

自分の人生の中で、ここまで愛した作品も少ないんじゃないかと思います。

…。ちょっと語りすぎましたかね。

最後に発表となりましたが、4/24(金)に上映も決まりまして、ヴァイオレット・エヴァーガーデンはついに最終章となりました。

ガス灯は電気に。手紙は電話にへと代わり、その役割を終えようとしていた。

だが、変わらないものもある。

彼女の感情だ。
彼を想う彼女の感情。

それは―――。
その彼女の名は、

―――ヴァイオレット・エヴァーガーデン

クラウディアの語りから入るこのムービー。とても、とても好きなんです。

劇場でこれを聞くたびに、魂が震えるようでした。

アニメ版の本編は原作とは異なる終わり方で締められているため、これからどうなっていくのかは未知の領域です。

ですが、彼女の彼を想う気持ちが変わらないように、楽しみにしている気持ちは最終回が放映されたあの時から何も変わっていません。

それは私だけではなく、ファン一同がそう思っている筈です。私の人生を、文字通り色を鮮やかにしてくれたヴァイオレット・エヴァーガーデン

まだ26年の人生ですが、最高の作品に出会えたと思っています。ヴァイオレット・エヴァーガーデンという作品が心から好きなんです。

もちろん、原作もアニメも両方。原作が完結している以上、これでヴァイオレット・エヴァーガーデンは終わってしまうかもしれない。

寂しさもある。

でも、嬉しさの方が強い。クリエイターさんたちが文字通り、魂を削って作り上げたヴァイオレット・エヴァーガーデン

作品が完成して観られること。これほどに嬉しいことはないのだ。

これ以降も京アニによって様々な作品が描かれていくことだろう。たくさんの思いが積まれていって綴られていく物語が沢山あるんだろうと思う。

ヴァイオレット・エヴァーガーデン以前にも京アニによって、心を動かされた作品がたくさんある。そうやって積み重ねてきた作品たちとともに、描かれていく作品たち。

―――全て観ていたい。

そう考えたら人生は短い。京アニの作品が続く限りずっと観ていたいと思うのだ。

京都アニメーションによって描かれるたくさんの"愛してる"をボクはこれからも応援し続け、その愛を受け止めていきたいと思います。

そして同じように"愛してる"を届けたいと思っています。親愛なる"京都アニメーション"へ、愛を込めて。

そして。どうか、ヴァイオレットとギルベルトに幸あらんことを願って。

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