Ⅶo'z Log

ゆるーくゲームやアニメ、漫画といったサブカルを日常と一緒に伝えていきます

【Blog】連載終了直前にハイキュー!!第三部をまとめていこうと思う(バカみたいに語り尽くしてます)。

f:id:naw0naw0:20200717005235p:plain

ども、naw0です。

日曜深夜(正確には月曜の0:00)にハイキュー!!公式Twitterから、ツイートされた内容で眠気が吹っ飛び、朝起きて仕事して速攻で車飛ばしてコンビニ行って仕事して一段落した段階で読んだんですが、涙で頬が一日しっとりとした状態で過ごしておりました。

いやぁ、こんなツイート見たら泣くし、興奮して仕方ない…!というわけで今回は3月に書く予定だったこれを綴ろうかと思います。んじゃ、本題。泣きながら書きました。アニメ流しながら書きました。泣きました。。。今回のブログは約3万字という大ボリュームです!!ハイキュー!!大好きなんすよ、心から。

もし、ハイキュー!!を読んだことがない方がいましたら、ここでSTOPして単行本全巻一気に買うか、アニメ全部観てみてください。後悔は今まで読んでなかったことに対してにだけしかさせません!全力で楽しんでください!

第3部。それは、「敗者の君たちよ、明日は何者になる」という問いかけの答えがまさにこの3部を表しているといっても過言ではありません。今回はそれを紐解いて参ります。

さて。昨年の秋以降、準々決勝で春高バレーから姿を消した烏野。これはハイキュー!!の本誌読者に衝撃を与えました。

私も当時は春高バレーの鴎台戦をアニエラに行く電車の中で読みましたが、あまりの衝撃と武田先生の指導者としての在り方に涙したものです。

この言葉が最後まで、彼に刺さったわけですね。。。あぁまた涙が…。 武田先生の言葉にまたも目頭がかなり熱くなります。

さて、そんな指導者の言葉もあり、舞台を去った翔陽に鴎台の星海光来から発せられた「日向翔陽!!俺は!!お前を待っている!!」で涙腺大崩壊。

でもさ、これが今コートで本当に叶った訳じゃん!

もうホント最高かよ~~~~~!!!!あ~~、ごめんなさい、時系列で話すつもりが~~~~!!!

ですが、最後まで戦い抜いた烏野には称賛を送りたい…!そして、思うのです。 決して、負けは弱さの証明ではない。そこから立ち上がることで、何だってできるのだ

またも武田先生。烏野を大きくした精神的支柱であり、偉大なる指導者です。烏養コーチが生徒たちへのバレーボールの指導者ならば、人間としての在り方を指導し、導いたのは武田先生だと思います。

さて。

それから時は経ち、翔陽が高校を卒業後にブラジルでビーチバレーをやっているという本誌のとんでも展開から今日に至るまで、驚きと感動と涙と興奮が納まらないハイキュー!!でございますが、ホンッと今一番ジャンプで面白い!もう終わっちゃうのが悲しいけど最後まで前向いてなきゃなって思うわけで。

高校バレーという場を終え、完結へ向けて走っているハイキュー!!

場は変わったものの、翔陽のバレーへ向ける情熱という本質は決して変わらず、翔陽の貪欲さ、いや、、、ハングリー精神とも言うべきバレーに懸けるそのひたむき加減と熱意には本当に敬意を表す。

それはただ、カッコいい。そのカッコよさが全面に出ているのが現在と言ってよい。

今の翔陽は本当にカッコいいのだ。…そんな彼が自らも努力したのは勿論だが、更なる躍進を遂げられたのは周りがが支えてくれたからだ。

そして、その翔陽の周りがまたもドラマを生んでいる。

それは、言うまでもなく彼の部活の先輩や同級生、顧問、コーチな訳だがそれだけではなかった。もちろんインハイや春高バレーで戦ってきた選手たちもそうだが焦点をあてるべきは他にいる。

というのも、翔陽という輝きは様々な人間に影響を与えた。そして、その代表格が白鳥沢学園バレーボール部顧問、鷲匠鍛治であることは言うまでもない。

鷲匠鍛治が日向翔陽に与えたもの、あるいはその逆。

そもそも翔陽がビーチバレーをやりたいという選択肢を持った時、これを支えたのは鷲匠先生だった。

では、なぜビーチバレーなのか。

それは、広いコートを2人で守るということは全てができること。そういったすべてをこなせるスキルが必要だと感じたからだと翔陽は言いました。

それを相談された烏養コーチも突発的だったこともあって戸惑っていました。

ですが、「誰もやっていないは誰もできないと同じではないという」前監督の言葉を思い出すと、「時間はある、検討しよう」とビーチバレーに関する情報収集や支援などツテをあたり始めます。

この流れを見た時感じたのは、以前(76話で)、潔子さんが

「何かを始めるのに"揺るぎない意志"とか"崇高な動機"なんて無くていい。成り行きで始めたものが少しずつ大事なものになっていったりする。スタートに必要なのはチョコっとの好奇心くらいだよ」

とやっちゃんと話していましたが、まさにそれでした。

想いを汲んだ武田先生と烏養コーチはそのため東奔西走してくれていましたが、最終的にタスキを繋いだのは鷲匠先生でした。今はジュニアのコーチをしている白鳥沢79期生OBの加藤ルシオがインドアからビーチバレーに転向したという話を翔陽は鷲匠先生から受けました。

しかし、彼の滞在先はブラジルでした。ですが日向はノータイムでブラジルに渡ることを決意しました。

翔陽にとって与えられたのは、2年。この間にどんな状況になろうとも、2年で戻ってこいと。加えて、鷲匠先生は、卒業後1年は入念に基礎作りをして、その後の2年間で揉まれてこい…と。

だから卒業した2015年はひたすらに基礎を作って、それを伸ばし進化させ、活かすために2年は現地で揉まれてこいと言ったわけですね。

そして、後日。

白鳥沢の斉藤コーチと条善寺の穴原監督との呑みの席で、なぜ他校の生徒である翔陽に肩入れをするのかと問われました。それはそうです。本来であれば、烏養元監督や猫駒の猫股監督を頼らせるのが筋ですから。

ですが、そこまでして外野から手を差し伸べたのは、鷲匠先生が春高予選決勝の場で戦っていた時とはすでにその精神の在り方は変わっていたからです。。。俺もすべてをねじ伏せる力が欲しい…と。

同じ境遇という嫌悪感。そして、一選手であった頃に時代背景として経験した在り方を否定したいという考えを覆し、それは期待という意志に変わっていたんです。

親戚の年寄りを観ている限り、あの歳まで行ってしまうと頑固になりがちですが、バレーの在り方が時代とともに変わっていったように日向翔陽という存在が鷲匠先生を変えたのだろうと思っています。

この作品は翔陽と飛雄のW主人公ですが、裏主人公は間違いなく鷲匠先生かな…と。

先生にとっては一つの次代の幕開けだとも感じたのではないでしょうか。思わず読んでいて涙も浮かべましたが、それ以上に誇らしかったですよ。そうか、彼はそこまでの選手として期待されているのだと。

…少し時間軸を戻しますが、烏野に負けた際に烏養元監督の放ったアリー・セリンジャー監督の言葉が重ねられたのは鷲匠先生でした。

「未来に発展も変革もないと信じる理由はどこにもないのである」。このセリフです。

正にこの行動とアドバイスは、未来に懸けた行動だったんです。…そしてある時、こうも言っていました。

「俺達に体格の代わりに与えられたものこそ、その"餓え"なんだよ」と。

正に出会いの化学変化が与えた翔陽の、そして鷲匠先生の"餓え"を満たす在り方なんでしょう。そしてそれを鷲匠先生が翔陽への"期待"と言っているのが涙してしまうポイントなんです。

お互いに受け取り、渡し合ったものが生んだ変化が今ここにあるというのは、心に来るものがありますよ、本当に。

ブラジルに来るまでの間、高校生活中の烏野バレー部では何が起きていたのか?

要所要所描かれてはいませんが、たくさん色んなことがあったわけです。まず翔陽の代の烏野は、こんな感じですね。以下にまとめてます。

・インハイでは県予選決勝で伊達工に敗北

春高前の練習試合で烏養さん言ってましたけど、伊達工強かったわけですね。

まぁ確かに強豪校は特に3年生が中心のチームが多かったですし。鉄壁の主軸が2年でしたから、黄金川という大型セッターも機能したんでしょう。青根がガチ泣きしてて貰い泣きしました。

春高では3回戦に宮兄弟率いる稲荷崎に惜敗

次は倒したるって言ってガチで勝つあたりが燃えます。

・3年生では井闥山に敗れて全国3位。

悔しそうな背中だったけど同時に凄く頼もしかった。背中がとにかくカッコイイ。

そして、3年生では忠がキャプテン…!これが本当に嬉しすぎた…!番号的には副キャプテンは飛雄か。まぁ単細胞はなくなってるでしょう…!(多分)

しかしポジションはどうしたんだろうか。恐らくは翔陽と蛍はMBで、忠はWSだと思うんだよねぇ…。ただキャプテンってこと考えると、大地さんのポジションでOPなんじゃないか?かなり筋肉もついて、がっしりしてきたしね。

色々考えられるけど、実際のところは不明。

しかし、飛雄は身長伸びたなぁ。190は確実に超えてるから、蛍が196くらいで飛雄が193か194あたりと読んでます。

僕も高校入ってから3年間で10cmは伸びましたしね。しっかし、この辺り全部読みたいし、観たい…!集英社は全力でIGと組んで、映像化すべき。 あと、翔陽よ。5番だな?4番は誰よ!?ま、多分リベロ

そしてこのカット…。飛雄のサーブをカットしてからのこのシーン…。

未来で待ってるとは正にこのことだ。

ブラジルでのビーチバレーの日々、そして再会

私もビーチバレーをやったことがあります(ホント少しですけどね)。が、めっちゃキツいんです。高校の頃に合宿でやりましたし、大学入ってからも高校の頃からの部活のやつらとは付き合いあったのでやってました。2人しかいないって言うのももちろんあるんですが、問題は地面なんですね。

普段の床の感覚でジャンプしても全然跳べないという。平面と砂地ですからバランスも違うし、そもそも足の接地面が圧倒的に違う。とにかく難しいんですよ、これ。体育館の床に慣れているから当然ですが。

まぁ、それはそれとして。そんなビーチバレーに明け暮れている翔陽ですが、彼は2016にリオに来ているようですね。そして、なんとその決意をしたのは1年生合宿の2対2の時というから驚きです。

余談ですが、2012年で1年生の設定なので、彼は2015卒ですから1995年6月21日生まれということですね。

ボクが今年で27なので3つ違いですか。とゆか3年生組は1個下とか考えられません。大地さんとんでもねぇな…。

試合中観ると、アレは完全に年上の先輩だぞってなりましたからねー。読んでるときは一年生視点で見ちゃうので、かっけぇ先輩だなってなっちゃうんすよ。…それと、明光くんとか冴子姐さんの方が自分より上なんですよね。うーむ、年上の方と話すの好きなので酒を交わしたい!

…さて。話を戻しますが、そんな翔陽はだたひたすらにバレーに向き合い、修行を続けていました。やっちゃんは心配で心臓出そうになってましたねぇ…。そんな中、やっちゃんたちはすでに大学3回生。学生生活も架橋と言ったところです。まぁ広告デザイン会社でバリバリ仕事のようですが。

飛雄は卒業後様々な大学からスカウトされていましたが、それらをすべて蹴ってVリーグへ。2016年。すなわち翔陽がリオへ行った年には全日本代表へも選出されています。

ふふ、今の前日本代表にも似たような道を進んでいった選手がいますね。記憶に新しいですが、全日本バレーの砲台である西田 有志選手です。

西田選手は高校3年の時にVプレミアリーグ男子のジェイテクトSTINGSに高卒内定選手として入団しています。

彼は3年生最後の春高バレーには出場できなかったのですが、JTサンダース戦でチーム最多の26得点を叩き出すというとんでもないデビューをしています。

卒業後には正式にジェイテクトSTINGSに入団し、同時期に中垣内祐一監督率いる日本男子代表に選出されます。

西田選手のポジションはOPですが、飛雄の進路としてのモデルは恐らく彼でしょうね。すみません、脱線しましたね。そんな中、暑さという洗礼を受けながらも武者修行を続けていく翔陽。

チームメイトを待ち受けとして、日々心の支えにしていました。が、単身で出てきた彼も日々のバイトや練習で打ちのめされることもあり、枕を涙で濡らす日々もあったのでしょう。

そんでもって私も初めて知ったんですが、ビーチバレーってスポンサーがチームではなく個人につくんですね。

バレーも突き詰めれば個人の力で、それのかけ合わせがチームになるわけですが…。

個人の力が試されるというのは武者修行の場としてはうってつけなのかもしれませんね。単純に分かりやすいですから…。

そんなビーチバレーに勤しむ中で出会ったのが、及川徹だったんですねー!ボクが最も敬意を表していて、一番一緒にプレイしたくて、一番好きなのが徹なんですよー!

なのでめちゃ嬉しかったですねー!

そして、SUMUSHI…。酢飯…。まさかのその日の朝にトレンド入りしましたからね(笑)。そりゃあ読者全員驚きますよ。

なお、徹はオリンピックを観に来ていた訳ではなく、アルゼンチンのチームでプレイしていました。

2020現在で世界ランクは7位ですからかなりの強豪国です。ちなみに今日本は11位ですね。2018年に日本はランクアップしています。

そんな強国でプレイしていたのには訳がありました。

146話で、徹に「“自分の力はこんなものではない”と信じて 只管まっすぐに道を進んで行く事は“自分は天才とは違うから”と嘆き諦める事より辛く苦しい道であるかも知れないけれど」

とアドバイスしていた指導者がいましたね?彼の名はホセ・ブランコ。徹が憧れていた選手です。その彼が日本で監督をしていた時、バレーを続けるかを相談すると先ほどの言葉をかけて貰ったのです。この時、この人から学びたいと思っていたら、翌年にアルゼンチンに戻ってしまったから追いかけたと……(苦笑)

元々海外挑戦はするつもりだったから、それが少し早くなっただけで行きたい場所はどうせ変わらないという徹の考え方は好きですね。向上心の塊そのもの。

そんな徹とビーチバレーでプレイしたり、一緒にご飯食べたりと…。いつもこの二人が会うときはコートの上でしたからね。すごく新鮮でした。

その直前で妹から貰った財布を掏られたショックがあった翔陽も元気を取り戻しました。

そんな中、二人でビーチをプレイする機会が現れます。二人のプレイを観ていて思いましたが、あーわかるわかるの連続でしたねー。風向きとか、ジャンプのしづらさとかとか(笑)。

私的には、徹の掴みの上手さに惚れてましたねぇ。そんで、ついにこの二人が一緒にプレイする時が来たんだなぁと感慨深くなりました。しかも、強さを持った二人のプレーです。

いくつかやり取りしていましたが、翔陽がビーチだけではなくて本来のバレーも抜かりなくプレイしていると聞いた時には流石抜かりないなと感心してましたね。

白鳥沢戦が終わった際に、「チビちゃんはトスを上げたくなるアタッカーだね」と徹が言っていましたがこれが実現したことが何よりも嬉しかった。

そして、チビちゃん呼びが翔陽呼びになった時にはもうそれは涙ですよ…。同じ目線に立っているんだって思えた時、涙が出てきた。成長したなぁ、翔陽…って。

公式試合 -ソルカード杯- 開始、そして…。

遂に、試合の様子が描かれることになりました。そしてそれは、彼の修行の成果がそのままに反映されるということでもありました。

ここでは書き忘れていましたが、基本的に翔陽は誰とでも組む、そんでもっていつでも解散OKという条件でブラジルでプレイしていました。

そんな境遇から彼はサンタナ(Heitor・Santana)という青年とペアを結成して試合に挑んでいくことになります。

ちなみにビーチは個人にスポンサーがつくんです。翔陽の場合は現地ではなく、日本のスポンサーがついていました。

無名の彼につくスポンサーがあるのかと驚きましたが、そのスポンサーはまさかの研磨。

研磨は“Bouncing Ball”という法人を立ち上げ大学生のトレーダーにしてYoutuber、そしてプログラマーというお金には困らない生活を送っていたわけです。

彼はそもそも自分事を突き詰めていくタイプですからね。バレーは黒尾に引っ張られたからですが…(笑)。

まぁそんな彼ですから、翔陽に対しても基本スタンスは変えずに「つまらなくなったらやめる」というスタンス。そりゃあ翔陽も身震いしますよねぇ。

オンラインゲームやソシャゲと一緒で、詰まらなくなったら課金止めるって事ですから。合宿で研磨が言っていた「翔陽はいつも新しいね」というあの言葉。アレの延長線上なんでしょう。

そんな研磨からの支援も受けた翔陽のゲームが開幕。跳びにくい砂であっても、理不尽に吹く風も、理解し活かせば跳べる。敵にも味方にもなり得るコートで順調よく勝ち進んでいく二人。次の競技会に出られるまであと一勝というところまで迫っていた。

そしてそんな中。次の試合に勝つことが出来たら恋人のニュースにプロポーズをするとモンタナは突如激白。

それはフラグだよと思わずにもいられませんでしたが、ソルカード杯最終日に翔陽は熱に当てられたのかモンタナの結婚を見たら日本に帰ると宣言します。

だからそれもフラグやんけと思わずにはいられませんでしたが、熱は伝播するもので「うおおおやったれええ」ともうテンションはうなぎ登りひつまぶしです!

ゴングは鳴り、お互いに負けられない意志を持ちながら試合が開始。
相手はカルバリョ(Calros・Carvalho)&サントス(Lucas・Santos)ペア。

試合は一進一退で進展し、セットカウントは3セット。すなわち1-1のフルセット。観客の中にサンタナの恋人であるニースさんの姿も。そして、ルームメイトであるペドロ(銀魂ではない)の姿もそこにはありました。彼はジャンプで意気投合しましたが、バレーにはさほど興味はなかったようです。ですが今回は来てくれたみたいですね。まぁ、良ければ来てってメッセがありましたしね。

グッドサイドの風下に立つ翔陽&サンタナペア。相手はセットの苦手なサンタナにトスを上げさせて、背の低い翔陽にスパイクを打たせようとします。

翔陽は周りよりも圧倒的に身長にハンデを持っていますので、まずは翔陽に拾わせてから、モンタナのトスで翔陽に撃たせるという作戦…。ですが、彼にとって今や空中は不自由な場所ではなかったわけです。

砂を蹴飛ばすのではなく助走の勢いを上に活かして跳ぶこと。進化を遂げた跳躍は相手コートでは思ってもいなかった一点を叩き出す。

思考を止めず、行動することを止めない翔陽の躍進には本当に胸が躍る。コーチのルシオグラブルではない)が到着する頃の最終セットでは10-9で日向たちのリードで展開は進むが、取った取られたを繰り返すシーソーゲーム。

そしてここでコーチであるルシオグラブルではn)にペドロ(銀魂でh)は、得点を決めた日向のプレーは「ポーキーショット」かの確認をしていました。

「ポーキーショット」は指の背を使った攻撃方法です。コマに分かりやすいのがあったので抜粋します。 

ビーチでは指の腹に触る「フェイント」はNGなので、強打以外は指先や指の背を使うんです。慣れないうちはめっちゃこれやっちゃいます。気付くと…みたいなのは良くやりました(笑)。

10-10で遂には同点。最終セットは15点マッチで合計の点数が「5の倍数」の度にコートチェンジをするのがビーチです。

公式戦のバレーとはここも違いますからねー。そんな緊張の試合運びの中、相手のスパイクを拾うためインドアでのクロスに当たるカット側に回る翔陽でしたが、ストレート側のラインにスパイクを撃たれます。

ですがこれは駆け引きだったわけですね~。敵にカット側を守る素振りで、ライン側に撃たせるようにしていたんですね~。

上手いこと考えますし、観てますねぇ。プロのビーチを観たことある人は分かると思いますが、結構こういうプレイは観ることありますよね~。

縦で観ると、「え?そっちいたじゃん?なんでこっちいる訳!?」と思わせるほどに対応力も良く、砂の上とは思えないほどに動きが早いですからね。

そりゃあ"ニンジャ"なんて愛称がつくわけですよ。

試合は翔陽&サンタナペアが13-11。ルシオグラブルではない)曰く翔陽が忍者ならば相手は仙人だと。

しかし、そんな忍者であっても相手は仙人とまで言わしめた年長組。サーブに対して、サンタナがレシーブ。

さらに翔陽がトス、サンタナがスパイク。しかしそれも拾われる。相手も強打で返すが、アウトのが見送るとここでイレギュラー。…そう、風である。

これを上手く使うからこそ、年長が強いと言われる所以。

しかし、そんな追い風を味方にしていても、有利な状況を生み出していても。ブレない。―――そう、ヤツは拾う。

繋ぐことこそ、バレーボールの本懐。

しかし、それはバレーボールにおいては全ての共通。その中で落とした方が負けるのだ。いつだってその事実は変わらない。

サンタナは肝心な時に駄目な男だとそれはもう落ち込んでいました。ですが、翔陽はそれは違うと真っ向から否定します。

「肝心なところで勝負できる男だと」

観ているからこそ言える一言がとても素敵ですね。そんな意気消沈なサンタナはニースさんの元へ。あぁ、結婚話と帰国話が消えたと思いきや、

…恋が実りました。うーーーん、素晴らしい!!今夜は色んな意味で祝勝会だ!!!!!!!!

そして、月日はさらに流れ、2018年3月。

ついに翔陽は帰国を決める(さっき結婚するってなったけどすぐ帰るってわけじゃないからね!)。

感謝とともに流れる涙と溢れる歓声と。ブラジルで会った縁が彼を見送る。しかし、翔陽は日本へ帰国したところで無名のため、トライアウトを受け自ら選ばれに行かなければならない。

ニンジャ・ショーヨーとして有名な彼を知っている彼らにとってはにわかには信じ硬い事実であった。でもそれがリアルな事実だからこそ、翔陽は突き進んだのだ。選ばれるものは選ばれてこそ選手として足り得るのだと彼は知っていたからである。合宿はいい糧だったんだろうと今改めて実感できた。そして、事実を受け止めながら彼はトライアウトを受ける。

その名は、MSBYブラックジャッカル。

そう、かつて敵として立ちふさがった宮侑と木兎光太郎がいるVリーグ(1部リーグ)の実業団である。

この展開、年末だったんですが胸熱でしたね~~~~~~!!!!ジャンフェスで一足早くトライアウト合格がわかった瞬間、嬉しさと涙で感情がハジけました。アダムとイヴの軌道を追いましたし、 Ready, Go to star heaven と言わんばかりの勢いでした。

だって、1部リーグですよ!?Vリーグのトップです!自分から突っ込んでいって、入れるって段階で実力がパないことがわかります!あ~~~~~~~!めっちゃスゴいなぁぁぁぁ!

最終幕に向けて。そして、かつてのチームメイトは

時はまたも流れ、同年11月

カメイアリーナ仙台で行われるVリーグにて、アドラーズと翔陽の所属するブラックジャッカルの試合が行われようとしていた。

体育館、そしてたくさんの観客、大会ならではのエアーサロンパスの臭いに包まれ、熱気を帯びた会場はまさに、バレーボールの戦場として相応しい舞台だ。

だが、熱気も臭いも選手や観客だけのものではない。そう、いい試合には美味い飯もついてくる!美味い飯に食いつく観客。そこにはかつて敵として交えた宮治の姿があった。屋号はそう「おにぎり宮」。

侑はプロの道へ進んだようですが、彼はまた違う道を歩んだようです。うん、これもまた人生です。ご飯を美味しく作ってくれる人が自分とっても好きなので、好感度ぐーーーーんっと上がってしまいました(笑)

ちなみに、治がバレーを辞めると決めたのは高2の時で、すでに飲食系の道に進むと決めていたようです。

双子とは言え、考えは違いますしね。これだけお互いに啖呵切ったわけです。どっちも全力。バレーへの熱意も、食への拘りもね。

焼明太子売り切れてました。さけと塩こんぶも売れ行き好調です。個人的にはすきやきと茄子が気になってます。茄子はどういう味付けなんでしょうね。。。すきやきはすきやきですもんね。すきやきっていえば「あたしンち」ネタを思い出してしまいます(笑)。うーーん、なんかこの話題でめっちゃ話せてしまう気がするのでここで切り上げておきます(苦笑)。

色々な熱が上がり、観客も今か今かと待ち望む中、翔陽はある選手と出会います。出会いはそう、お手洗い。ヤツにとってお手洗いは強者と出会う絶好のスポットなのだ。

―――そう、タイトル通りのラスボスである。(双方にとってのラスボスという意味でだが、特に白鳥沢戦4セット目終盤の飛雄の言葉が翔陽がラスボスであると位置づける発言でしたね

直接の対峙は中学最初で最後の県大会公式戦以来。

遂にこの時が来たかと言わんばかりの興奮。そして、戴冠の時来たれりと言わんばかりの待っていたの喝采。もう上のコマ見たら泣きますよ。

そして、そんな彼らを見守る、いや彼らの奮戦を心から期待する姿が観客席の中に存在したわけです。

いやぁぁぁぁ、大きくなったなぁ!(´;ω;`)しかもめっちゃしっかりしてる(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)

大地さんとスガさんはけっこうイメージ通りで、旭さんに驚きました。デザイナーですもんね。いやぁランウェイで笑ってを絶賛購読中の私にとってはデザイナーやってるというのはものすごいんだなと超実感しました。あればかりは途轍もない努力と発想、そして才能で跋扈していく世界ですから…。いやぁ、色んな作品読んでおくもんですねぇ。

そして。完全にバレーにハマり切った蛍!脚長いし、こういう服カッコイイですね、似合います。あんま私服見る機会がなかったので、こういう大人びた姿で私服見られるのは超うれしい限りです。

光太郎の言葉、彼の心に相当響いたんでしょう。

ちなみに蛍の現在の状況が学芸員(かも?)+仙台F所属ということでしたが、これはよく分からなくなる方もいると思うので、補足をしておきます。

Vリーグの場合はそのチームが企業としてか、クラブチームによって契約体系が完全に分かれます。…図で説明したほうが早いので、以下に乗せておきます。

 

f:id:naw0naw0:20200715142514p:plain

簡単にするとこういうことですね。はい、じゃあまた戻します。

そして、キャプテンだった忠はと言うと。アホ毛が2塊に進化して、髪がさらに短く。じゃなかった大学四回生で就職手前。家電メーカーですって。どこかのOBに触発されたんでしょうか。マート先輩が泣いてるよ!(泣いてない)

やっちゃんは広告デザインへ。うん、カワイイ。

ちなみに流れ的に一番好きなのはカルーアの件。基本的に僕も甘いお酒しか飲まない(カルーアだけじゃないけど)ので、めっちゃ共感してました(笑)。

そして監督とコーチ陣営。

読者に一番近い人、オレらの代弁者。それが武田先生です。いやぁ、にしても嬉しいですよねぇ…。そんでもって、後輩たちがこんなにもいるとは。しかも先輩たちOBが出場しているなんてめちゃめちゃ嬉しいですよね。

そして、先輩と彼らの後輩も登場…!どこかで語られないかねぇ…。さらに、トレンドになるほどでは足らないくらいの水爆並みの衝撃。

潔子さんの結婚!!!!!!!!(しかも龍と)ズドーーーーーーンッ!

そりゃあぐあああああああともなります。馴れないでしょうね、チームメイトとしては!!!!!まぁ、ボクとしてはアタック通じて最早スパイク!!!!!みたいな感じで訳わかんない感情でうおおおおおおおおおおおおおおおおおおおってなってました(笑)

いま過去を振り返ると、潔子さんの龍へのリアクションは完璧な純ツンデレと言わざるを得ません。ここまでの純ツンデレをボクは久々に観ました。

そんでやっぱこうなりましたか。スガさんあなたが代弁者です。(個人的にはお祝いムードがパないですがw)

つか縁下先輩は理学療法士ですか。これは彼目当てで来る人が殺到しますね。では、ノヤっさんはどうしたかと言うと、世界中回ってます。

ん?なんか、一人だけ違いますね。補足すると、とにかく未体験のことをとにかくやりたいってことみたいですね。

いやぁ、なんだってできるんです。指導者たる武田先生に敬服。

なんていうか、出会いって運命ですね。出会いで運命すら変わる。それは人でも、なんでも。いい刺激を与えられたようで、何より。

試合開始前。そして、かつて戦った彼らの行方は。

待ちわびたと言わんばかりに、鐘と共に歓声が沸く。かくしてかつての戦友は敵に、かつての敵は強力な味方に、そして強敵は更なる強敵に。

そして、かつての相棒は進化を遂げ、怪童へ。昼神にも驚きましたが、飛雄の堂々たる也…!体格が高校の時と比べてかなりガッシリしましたね。高校生はそもそも身体がかなり未完成のため、比較しても仕方ないのですが。。。鍛え上げた肉体に、年月と努力の積み重ねをそこに見ました。
そして、我らがアホ達。

翔陽も侑もアホですが、光太郎はそれを上回るアホっぷりですね。ここだけは変わんないです(笑)。佐久早さん大変っすね・・・(苦笑)

そして待ちに待った翔陽の登場。どんな成長を遂げたのか、どんなプレイで魅せてくれるのか、先輩たち同級生たち、後輩たち、指導者たちはワクワクを抑えられないというのがひしひしと伝わってきます。

待ちに待った、この瞬間。ついに、試合開始の鐘は鳴らされようとしていました。しかし。その最中、会場では更なる邂逅が深まっていました。

そう、白鳥沢の面々です。どうやら皆色んな道に進んだようですね。

白布くんは医学部。賢いですね~。まぁ自力で白鳥沢受かってましたし、自頭がいいんでしょうね。とゆかえーたちんは手堅いのか、遊びの部分が多いのかw まぁ多分これは前者があるから後者できるんでしょうけど。大平くんはまんまですね。あーーーーって感じでした。

そして何より驚いたのが、五色はまさかの桐生とチーム一緒なんですよね。

桐生。彼は翔陽が一年生の時、佐久早や若利同様に当時高校三大エースの一角でした。古森くんは前日本ユース合宿にも選ばれた当時、高校生No.1リベロと謳われた人物です。相変わらず、佐久早に対しては保護者の如く心配してますね(笑)。

そして、梟谷の鷲尾くんに稲荷崎の角名くんもプロ入り。1部ですね、スゴイです。

そして、かつての烏野で小さな巨人と名を馳せた宇内天満は漫画家に、赤葦はその編集者という立場。不健康な漫画家とめっちゃインテリな編集者みたいな立場でしょうか。赤葦が光太郎の指揮者みたいな感じでしたし、宇内さんも状況を見る限りはうまい感じに執られているのかもしれませんね。立場的には大変でしょうけど赤葦なら大丈夫でしょう。

そして兄と姉。明光くんは文房具メーカーで、チームには入ってないんでしょうか…?冴子姐さんは流石の貫禄。姐さんかっけぇっす!完全に感じが突っ張ってる感じがいいっす!最高っすよ姐さん!!!

飛雄のかつてのチームメイトも会場に。国見ちゃんはやっぱ硬いっすねw 金田一も2部リーグでガッツリやってるみたいです。彼は蛍同様にクラブチームと契約しているようですね。

そして、代表決定戦で対決した川渡と中島も立派に成長。当時の中島はスタイルがまさに小さな巨人でしたが、彼が翔陽にそこまで言うんです。とんでもないでしょうね。

おっしゃれーになった照島くん。美容師です。美容師って国家資格なんですよねー。条善寺の照島くんけっこうプレイだったりが好きだったので、こうしてまた違うところで将来が見えるのは嬉しいですね。

そして出てきた黄金川は、さすがは工業系!自動車メーカーですって。セッターとしてどんな成長を見せたのかとても気になります。

鉄壁の双璧たるこの二人。なんかヤの付く人に一瞬見えますね。こちらも工業系ならではの業種。二人とも同じチームですか、嫌ですねぇぇぇぇぇ…。

そして、遂に来た!200cm超えの超弩級大砲の百沢。当時初心者に毛が生えただけの百沢も今や一部リーグの柱に!一体どれだけの実力をつけたのか!の本陣離れした超身長から繰り出す大砲が楽しみで仕方ない!!!!

金川にボールを導いた縁の下の力持ちである作並くん。やはり工業高校っすね! 建設系は多いですなぁ…。

稲荷崎の理石くん、千鹿谷くんはVC神奈川で活躍していました。クラブチームですかねー。

梟谷メンバーズ。小見ちゃんは役者さん!猿杙くんは手堅くお役所勤め、器用貧乏代表の木葉ちんは製薬会社の営業ということで非常に長所を捕らえた職種ですね。社会人チームにも入っているようでバレーはずっと続けているみたいですねー。

尾長くんは2部で活躍中。カッコイイですねー!そしてマネちゃんズ。おにぎり一口でペロッと行ってた印象が強い白福ちゃんは栄養士、雀田ちゃんはスポーツプロモーター!

ゲスブロックで烏野を苦しめた、白鳥沢のMBの天童覚。覚はなにやってるか全くわかりません(笑)。何やってるんでしょうマジでw(最終でわかったんですよねw)

そして待ってました!岩ちゃんです!!岩ちゃんは大学失業後にとあるトレーナーの下で弟子入りしアメリカを拠点に活動中です。そのトレーナーとは若利の父である空井崇さんで、岩ちゃんにとって彼はまさに先生で、高校の時から空井崇さんが執筆した本を参考に体を鍛え上げていたほどに心で師事していたトレーナーでした。

そんな岩ちゃんも今は立派にトレーナーに向けて邁進中です。

条善寺の穴原先生は条善寺高校で指導中。相変わらず2 on 2の練習なのでしょうか。うーーーん、アレはキツイですよね。学生時代やったことありますけどマジでいい思い出無いですね。

鴎台の芽生くん。同じくVリーグで活躍中です。

そして最終話手前でようやく出てきた黒尾さん!日本バレーボール協会でバレーボールの普及のために、ネットを下げることで「できる喜び」を広げるため今は活動しているようです。バレー人口が下がりつつあった昨今、こういうことが出来れば確かに人口も広がりそうですね。人が死なない、熱狂できるスポーツという文化。彼のこういった考え方、とても好きです。

余談ですが、小学生の男子バレー人口はハイキュー!!の影響で連載当時(2012年)には1.2万ほどしかいなかったんですが16年には2万を超える人数が集まったというのですから、ハイキュー!!の影響力は半端ないですね。(参照:月バレ2020年8月号)バレーがしたくてもできない子がクラブチームに入るまであるという状況もあるくらいですし、ホント素晴らしいです。

ついに試合開始。アドラーズ VS ブラックジャッカル

時は、始球式前。では、スターティングメンバ―を一気に紹介しましょう!まずはアドラーズです。

ほぼ半分が妖怪世代ってのはとんでもないですね。。。あと、若利はマジで24に見えん。加えて驚きと言えば、WSって書かないことにもちょっと驚いてました。OHですね。時代が変わったって感じがします。最近はこの言い方が主流でしたしね。これはもしかしてこの変え方の流れも合わせたんでしょうか。いやぁ、こういった作り方は流石というほかありませんね。

そして。それを率いるは朱雀万丈監督。

すげぇ個人的な話ですが、知り合いのコーチやってる人に感じがちょっと似てて笑ってました。もしやと思って連絡したら、ちげぇだろって笑ってました。(でもその人プロなんですよねぇ…)

さて、お次はブラックジャッカル!

こちらは過半数超えてきました。いやぁとんでもない。翔陽はOPのようで、以前とは違うポジションです。スパイクだけに特化したわけではなく、この3年で非常にバランスの良い選手に育ちましたので、納得です。なお、本来のブラックジャッカルはオリバー・バーンズという201cmの選手が起用されているようですが、監督であるサムソン・フォースターによる采配で変更されたようですね。

佐久早と光太郎がタイプは違うアタッカーですから、ねじ伏せる攻撃というだけではなく、バランスという意味と侑の能力値の高さを考慮すれば攻撃の多様さと攪乱を狙えるいいメンバーですね。

それに練習では彼らも合わせているんでしょうが、それだけでは能力を図れません。強敵が相手だからこそ測れる能力もあります。公式戦はそもそも期間がありますから、その期間中にどういった組み合わせがどういった相手に機能するか図る狙いも少なからずあるでしょう。

さて、メンバー紹介はここまで。さぁ、試合開始のホイッスル。先方は飛雄のサーブでスタート。

…当選ながら、高校の時とは違う。だが、それは翔陽も同じこと…!スナイパーライフルのような正確性、且つ高速の弾丸のような飛雄のサーブにしっかりとレシーブする翔陽!

侑の正確無比なトスは一切の速攻もコンビも使わず、オープントス。地面をしっかり蹴り上げて挨拶と言わんばかりの強烈な一本はまさに空飛ぶ砲撃。

研ぎ澄まされた3年にも及ぶ努力の結晶。バレーボールと向き合った翔陽が放つ一閃!

宮城に、そしてコートへ帰ってきた翔陽の凱旋は炸裂の一本でかつての戦友たちを震えさせ上がる。さぁ、開戦だ。しかし、興奮を覚えたのはなにも戦友だけではない。

そう、若利だ。かつて父に言われた

「強いチームに入るといい。強くなれる環境には強い奴や面白い奴が集まる。そして強くなれば色んな奴と戦える。強い奴、変な奴...。いやまあ、お前がバレーを続けたいと思ったらの話だけど。どういう形でも、お前がバレーを好きになってくれたらうれしい」

この言葉がハマっていて、とても楽しそうにしている若利が非常に印象的でした。そして、試合は進み、ロメロの一本。

世界のトップ選手たる一本。TVで観ていた一本が目の前にある。選手にとってこんな興奮はないでしょう!しかし、やはり上に行けば行くほどプレイに隙はない。間を狙っていくこの素早いサーブはどちらが取るという思考すら追いつかなくさせるんでしょう。レベルは全然違いますが、めちゃめちゃ強力なサーブ来た時に同じようなことがあったなと自分で感じてました。ドンッってなった瞬間に「あーーーーごめん!クソ」ってなるんすよね。

しかし、彼らは称賛と興奮で思考を止めるほどのプレイヤーではありません。佐久早がレシーブし、稲荷崎戦での掛け合いを彷彿とさせる秘儀初見殺し!(光太郎と赤葦曰く)

ドンピシャぁ!こんな日が来るのかと、めちゃめちゃ興奮です!

当時は「?」の彼らは放っておいて(疲労困憊でしたしね)、何よりも侑がここまで翔陽が来ると確信して、言葉を放ったというのが最高にCoolです!!!これが今になって実現したことが言葉に表せられないくらいの興奮です!

俺は強いセッターに飛ばしてもらうために、強いところに行くんだという翔陽の言葉。口にして言葉にしてこそ今の重みがわかるというもの…!

そして強いところに行くために行った鍛錬と時間経過によって身長が伸び、3年にも及ぶビーチバレーによる脚力強化によって最高到達点が伸長されたこと!元々の体幹の良さは砂地という不安定な場に慣れたからこそさらなる強化が図れている。この強化と成長は彼が空中にいる時間が長いということだ。すなわちそれは高いジャンプと凄まじい体幹があるからこそ落ちてこないということ。スパイクのタイミングは非常に測りずらい。それは、非常にブロックが対応しづらいということに繋がる。まさに初見殺し!!!!

そりゃあ初見の人間は特に、なんだ今のってなりますよね。しかし、積み重ねてきたのは彼だけじゃない!

会場を味方に、すべての声援は木兎光太郎の力に。されども、その声援は光来のレシーブで華麗にもぎ取られる。綺麗に上がったレシーブを、日本の主砲が爆撃する…!

爆音は会場を「カッコイイ」という言葉で感情を埋め尽くす。しかし、攻撃は力だけがすべてではない。テクニックとトリッキーもスコアを上げる一手となる…!

佐久早の武器は手首の異常なまでのスナップ。こんなんでドライブかかってきたら、レシーブが馴れでもしないくらい初見では取れません。サウスポーを相手にしたときのドライブとはまた比較にならないでしょう!

ローテーションは回り、翔陽のサーブ。サーブとはブロックに阻まれない最強の攻撃。そしてヤツの進化したサーブに戦慄する…!

スパイクサーブはアウトだったが、高校の時にあった不安定さは存在しない。攻めるサーブに責め手なし。サーブこそ自らだけで得点ができる唯一の攻撃。光来が手本とばかりにサーブを披露しますが、意趣返しとばかりに光太郎がレシーブ。攻防は続き、ラリーが苦しくアドラーズに不利な展開かと思ったその時、

ロメロの一閃!体を操るセンス。かっけえええええええええええええええええ!でも、これだけじゃ終わらない!ロメロのカッコよさはここから!

ロメロの前にボールを放つことで攻撃を封じる狙いだったのが、助走を兼ねてレシーブし、その勢いのまま、

ズドン。

これが世界のトップ!!!飛雄も驚いてますからね、そのまま入ってきたことに。ロメロ見てめっちゃカッコよくて憧れちゃいましたね。

強さと自由さが表裏一体で動くロメロに触発される妖怪世代。しかし、さらに世界のトップはその体を自在に操り、コートを蹂躙していく。強打、柔打、フェイントを駆使していくその有様にブラックジャッカルの面々は翻弄されていたが、ついていくものがいた。―――翔陽だ。ニンジャとまで呼ばれた翔陽の動きは見事だ。ビーチで育まれた状況対応力は鷹の瞳の如く、周りをよく見ている。だが彼だけの活躍ではない。最中、佐久早がこの試合チーム初のサービスエース

二本目のサーブ、若利が繋ぎ光来がスパイク。佐久早はブロックアウトに勤め、翔陽はフェイントを警戒。ならば、後方ライトをピンポイントで狙い撃つ。そう決めた光来の放った一撃は、いなかったはずの翔陽にオーバーで捕まえられる。

ふわりと流れる返球に、侑が対応。ここで決めるが光太郎!だがここまでの流れ、翔陽によって仕組まれた自らを囮とした作戦。フェイントを警戒させたかのように見せて、狙ったところに撃たせる。そう、この駆け引きはビーチでは上等!

状況が多少悪く、アドラーズはTO。そしてここでまさかの言葉が。ロメロまさかの翔陽をご存知という。そんなに翔陽有名なのか!ブラジルでそこまで有名だとアメリカ大陸では名が通ってるかもしれませんね、これ。

さて。

試合は進むこと16 - 16。Cで入った光太郎と移動攻撃に走った翔陽をうまく使った侑が最強の囮を機能させ、速攻で入った明暗のB気味速攻!こんな攻撃相手からしたらめちゃめちゃ嫌ですよ。

攻防繰り広げること、19 -18。ブラックジャッカルがリードで始まる翔陽のサーブ。繋がり繋がりボールは若利に。ブロックで弾かれ、侑はカバーに回る。そして呼び出すは翔陽。全てをできるようになりたいと叫ぶ彼の意志に偽りなし!託したボールは侑のもとへ。

侑がブチ抜くーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!!!

彼らのプレイは大きな大人たちを動かす。そう、選ばせにやってくるのだ。だが、彼らにはそのプレイに充分はない。

ここ、俺たちと言っている鷲匠先生がとても印象的でした。先生にとっては若利のようなシンプルでねじ伏せる力も、翔陽のような自分からすべてを取りに行った末の力も強烈に憧れた力。とても楽しそうにバレーボールを選手として見ている先生が本当に印象的だったんです。。。

ローテーションは回り、ソコロフのサーブ。強烈なジャンフロはボールを急変化させるほどでしたが、翔陽はすかさず対応します。対応後、トマスの速攻!サーブの変化に対応した翔陽にトマスもナイスレシーブと声を掛けますが、出てきた言葉が「Better than wind」。はは、これほど頼りになる言葉はないですね。

試合は動くこと、23 - 19。ブラックジャッカルがリードの状況でトマスのサーブ。ロメロがレシーブし流れるように攻撃に参加しますが、放たれた強烈な一閃に対応が間に合わなかった光太郎はまさかの、

胸でレシーブ…。腕出した方が早いんじゃないかって思うけど、それも間に合わないって発想でなぜ胸が出る…。真顔止めてくれww しかしトスが回ったブラックジャッカルは、侑の対応でトス回しが成立…かと思いきや、トマスが入ってきている中で意表を突く2アタック!

ここで!?じゃない!ここぞ!という時に放ってくるのが宮侑という選手の本懐!ブラックジャッカルのセットポイント。トマスが放つサーブはロメロを牽制したが、飛雄の選択肢はバックアタックからの若利!炸裂する大砲がコースを読んでいた翔陽を吹っ飛ばす!しっかしぶち抜くそのパワー、最高に憧れますね。

さて、若利の一発でサーブが回るアドラーズはサーブを飛雄に移行。強烈な殺人サーブはネットインとなるが、得点にはならず侑がファーストタッチ。トスがいつも通りでないこのタイミングでセカンドタッチは翔陽。

そのままぶち抜くかと思いきや、ジャンプからの後方回転。トスへ急遽変更し、ボールはそのまま光太郎へ。

――――ブチ抜くっ!!!!!!!!!

ああああああああああああああああああああああああ!!!!最高だぁぁぁああああああああああああああああ!!!!!!!!

決まったぁぁぁ!と言わんばかりで第1セットは25 - 20でブラックジャッカルの勝利。

ただこのトスの動きからのアタックって動き、どっかで似たようなの見たことあったんですよね~。思い出すのに少し時間かかったんですが、19年のWCであった日本 VS イタリア戦でのプレイですね。拾い上げたスパイクをそのまま石川がバックで打ち抜くかと思いきや、そこからのトスで繋げて西田がぶち抜くこのシーン!! 

 これリアルに観てた時ですら、くっそテンション上がったんです!決まる前の歓声もいいですよね。本人たちめっちゃ上がってるのも最高です。

2セット目に入る前、飛雄の過去を明らかに

飛雄の家は、祖父である一与さんがママさんバレーのチームコーチを行っており、姉の美羽さんもその影響でバレーボールをやっていました。美羽さんは中学生の時にバレー部が髪をショートカットにというのが暗黙の了解のようで、それを契機にバレーから離れることになります。

美羽さんはやめてしまいますが、小さい頃からバレーに触れ、ボールに触れてきた彼は必ず体育館に行くときは付いていき、バレーボールの申し子と言わんばかりにバレーボールに生きていくような男の子になっていました。

そんな彼は一番ボールに触れるからという祖父の教えを受け、セッターを志望します。月日が経ったある日、影山飛雄小学四年生。試合中、もうすぐ試合が終わってしまうという心境から今までサービスエースを取り続けていたにも関わらず、手加減したサーブを打ったことを上から観ていた祖父に指摘されます。

それこそ、世界で活躍するまでになった彼の胸の中にあった、強いヤツに会うことがどんどんバレーができるきっかけになることを胸に閉じ込めたのです。それから彼は中学校に進学し始めます。しかし最愛の祖父である一与さんはそのころ位から入院することになりました。小学校の頃から通院している描写がありましたが極まったのがこの頃からでした。

そして、バレーボールを教え、いつもそばにいてくれた祖父が亡くなるその時を契機に、強くなりたいという熱く強い気持ちとは裏腹に、周りからは人がいなくなってきました。強くなれば強いヤツがいて、また目の前に強いヤツが現れるのではなかったのか。強いヤツに会えば、もっと試合ができるのではなかったのか。あれは、ウソだったのか…。

だが、それは違った。決してウソではなかった。自分がバレー以前に人ときちんと向き合ってチームプレイをできていなかったからだと彼はたくさんの先達や同級生によって気付かされた。そして、中学時代には強くなることしか見えていなかった孤独のコート上の王様は今や出逢いを経て、精神的にも肉体的にも成長したくさんの強者に出会うことができたのだ。

高校で相棒に出会い、たくさんの仲間と指導者に逢い、さらに多くの強者たちと出会った。―――そしていま。ここに、このVリーグという場に日向翔陽というかつての相棒が敵として強者として現れた。

そう、彼にとってここまでの喜びはない。だって、試合がたくさんできる。それが彼の、影山飛雄というバレーボーラーの根幹だからである。

2セット目突入。アドラーズの反撃の翼は羽ばたくか。

強者は容赦なくかかってくる。バランスを極めつつある翔陽が砂で培った技術を駆使し飛雄を攪乱する様子は見ていてとても最高だ。

2セット目、7 - 6。佐久早のサーブで始まり、レフトから光太郎がスパイクで一閃を放つも三枚ブロックに阻まれる。しかし、自らフォローしバタつきつつある自陣の前陣に紛れて後方から翔陽のバックアタック!しかし、飛雄のワンタッチ。レシーブを繋ぎ、研ぎ澄まされたセッティングでわずかに空いた二枚の壁の間を縫っていく光来の針を通すようなスパイク!飛雄の技量も光来の空中戦に於けるテクニックも見事としか言いようがありません!

そしてここで武田先生の質問タイム。疑問としては光来と飛雄で変人速攻できそうなのになんでやらないのかという話。烏養コーチもすかさず回答。この辺り回答出せるのがすごいですよね。烏養コーチ曰く、できるけどやらない。なぜなら、光来の空中戦のテクニックこそ活かすべきであるから。そしてそのトスはセッティングが完璧であることから、光来以外の選手もガンガン点を決めることができる。…飛雄と選手たちのレベルの高さがここで分かります。

その最中、決めていく飛雄の殺人サーブ!

ロメロの1セット目のコース同様、翔陽と佐久早の間…!しかし、2回目のサーブは短く、翔陽が勢いを殺していく。バックアタックで佐久早がブロックを弾き飛ばす!佐久早の異様な手首のスナップで決まったかと思った一発は光来がカバーするが、しかしボールはネットを飛び越える動きを見せる。だがそこで終わらせないセッティングを決めてくるのが今の飛雄。ワンハンドでレフトのロメロまで持って行き、すかさず決めるロメロ…!

最高すぎる~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!

さらに飛雄のサーブ。佐久早が上げた一本を、レフトから翔陽が一発!しかしLの平和島がレシーブし、ネット際すれすれという返球にも関わらず、アタッカーたちは問答無用の無慈悲な信頼!

飛雄が恐怖するのはもうチームメイトであった翔陽だけではない。全員が問答無用に信頼し自分が攻撃するのだとアピールしてくる。最後まで選択肢の一つであり続けることだ…!しかし、この格好の状況でヤツの選択は2アタック…!!誰も使わないという贅沢な選択に驚愕です。

強さという圧倒的な心地よさに感化された飛雄は完全に覚醒したようでした。そして4回目となる飛雄のサーブ。しかし、綺麗に翔陽が拾い上げ、光太郎がどストレートで大砲を決めてくるゥ!ストレート決めてくる光太郎がめちゃめちゃカッコイイ!そして、流れはこういう時にやってくるもの。

侑のノ~~~~~タッチエ~~~~~~スッッッ!!!!ブ~~~~~~レイクゥゥッッッ!!!!!

そして2回目のサーブ。光来が上げて、昼神を囮としたロメロのスパイクはライト側へ弾かれるが、翔陽が繋ぐ。ドタバタの展開でも侑は明暗を使い、センター線での速攻!されども光来が上げ、意趣返しと言わんばかりのセンターからの昼神…!

ローテが回り、再び飛雄のサーブ。強烈な一本は翔陽が上げるが、一回で相手コートに。相手の前衛は若利とロメロ。攻撃は多彩であるからゆえに、迷いが生じる。だがここでサイドを中心に攻撃していたアドラーズの選択は連続でのセンター線!厄介ですねぇぇ、、、。サイドで攻撃していればブロックは警戒を中心に寄せることなく広がっていきます。さすれば追いつかなるブロックが生じます。飛雄はこの流れを作ってぶち抜いたわけです。俺が上げて決まった一点は俺が決めたのと同じであるという自負…!正に総司令たるコートの頭脳である!

春高での強敵との邂逅以降、セッティングが優等生からいい意味で破天荒とも言うべく自由さを手に入れてしまった飛雄は、侑に言わせれば、「烏野が自由さに応えた結果、自由にやってもいいんだと飛雄は知ってしまった」、と。スパイカーたちは最高のトスを所望している。ならばそれに応えるのがセッター。できるだろ?という脅迫という名の信頼を手にコートを統べるコート上の王様。それが、、、

―――影山飛雄という男の現在なのである。

怒涛の第3セット。常に進化する妖怪世代…!

コートを統べる王の前に何も手を出さないなどということは無い。王たる者と王たる者二人がむかいあっての戦争だ。牙をむいた挑戦者はいつだって国を落とし、王を落とし、自ら君臨することで更なる覇者となる。そう、これは未だ兆しなのだ。

飛雄のサーブで始まる第3セット。正確無比且つ強力な殺人サーブだが、しっかりと抑える翔陽のレシーブ。翔陽と佐久早のレシーブでしっかりと攻撃を抑えられていたブラックジャッカルは、攻撃が多彩になり、速攻を増やすことができるようになっていたこの状況で明暗の速攻による中央突破を考えていた侑の考えは、コミットブロックを付かれることで崩れることとなる。

さらに2回目の飛雄のサーブは逆サイドに放った一発がノータッチエース!翔陽と佐久早の間を狙い撃つかのように、レフト後方に狙いをつけていたことを逆手にとってこそのこのサーブ。見事な采配と言わざるを得ない。さらに怒涛のサーブは逆サイドに放たれるがLの犬鳴(通称、ワンさん)がそこは見事なレシーブ。

しかし崩れていたと思われた侑の采配も、裏を読む采配で見事な切り替えし!

そんな嫌な采配で敵のテンポを乱しつつも、侑のサーブへとローテが回る。エンドラインが6歩の歩数。すなわち放つサーブはスパイクサーブ。スパイクサーブでロメロのレシーブを乱し、侑の身体はさらに熱を増す。レフトから若利がスパイクを打ってきても、少し乱れたとしても、侑のもとにボールが来ればそれはいつもと同じ通り。

暖まってきた侑は絶対に相手陣営のブロッカーにセンターを意識させる。さらに遊び足らない彼だからこそ、ここで放つはレフトの光太郎!セッター対決が更なる怒涛の展開を見せていきます。

2回目のサーブ。エンドラインから歩く歩数は4歩。今度は打って変わってジャンフロなわけだが、二刀流の名に恥じない流石の一発。光来のオーバーは勢いを捕まえられることなく、ボールはそのまま流されサービスエース!しかし、ここで終わらないのが宮侑。次のサーブもジャンフロと思いきや、モーションはジャンフロを維持したまま、スパイクサーブという意表を突いた攻撃!サーブの名はハイブリッド・サーブ。今の彼はまさに三刀流を制す大侍!

鍛錬を続ける侍の刀。最早進化は止まらない…!昨日を守って明日何になるなど言う考えはない。昨日やっていたことを続けていてもそれは同じ明日の繰り返し。―――常に進化たれ、と言わんばかりの稲荷崎の在り方が今もこうしてあり続けるというのは如何に高校バレーが彼にとって大きかったのが良くわかる瞬間でもあります。

更にこの流れは止まることなく、ジャンフロに強いドライブをかけてボールを曲げることで後方レフト側の光来を攪乱!

乗ってきた!乗ってきた侑のサーブ!!!たまらずTOを取るアドラーズ。いやぁ…こんなサーバーから絶対にサーブ受けたくないですね。観てる分にはいいですけど、こんなん絶対嫌です。だってオーバーなら変化前に殺すのが通説なのに、それやってたらロメロみたいに前出過ぎて殺される。

アドラーズはこんな嫌なサーバーに対してTO明けに4人で対応する配置へ変更。珍しく若利がレシーバーとして起用されます。出てきた若利に対して、喧嘩の如くジャンフロを放つ侑。乱れたレシーブは光来に上がり、ブロックアウトでこの局面をTO後一発で切り抜けます。

更に流れに乗りたいアドラーズはこの局面でロメロのサーブ。強力な一打は佐久早がレシーブしますが、短く浅いレシーブに悪返球かと思いきや、低い体勢からもちろんオーバーでトスを上げ、捕らえた光太郎が視界良好のライトから爽快な一撃!!!

く~~~~~~っ!!!気持ちのいい一発!!!!!

撃ちやすいセッティングを常に奏で続ける侑。過去如何なる時も意識してきたトス捌き。しかしながらそんなトス捌きを始めとした厳しい鍛錬を積んだ侑にはバレーの思い出など一つもなかった。思い出として刻まれるのではなくすべては肉体にフィードバックする。すなわち、筋肉に。彼に備わる筋肉こそ、それこそが今あるものの証明!自分が積み重ねてきたものがその筋肉は、治とともに汗を流した結晶でもありそして治が作った飯そのもの血肉となり、現在の結果を齎している。

そう、治のつくってくれたおにぎりもその一つ。三刀流たるべくして彼を今の肉体にせしめたものそれは、

―――稲荷崎主将、北さんによって育て上げられた新米。

それこそが彼の今を作ってくれていたのである(やべぇ泣く、泣いた)。想いは届き、力となる。この北さんの後ろ姿と広大な土地と稲穂に涙を流した人も多かったのではないでしょうか。

さて、様々な力を存分に受け取った侑。そんな侑の2回目のサーブは変化の激しいドライブ抜群のジャンフロ!光来を狙いに定め、レシーブが乱れる。しかし、飛雄のセットは安定した動きを見せ、ライトからロメロの一発。光太郎のブロックを弾き、後方に飛ばされたボールを佐久早がカバー。侑のセットアップでさらに繋ぎ、キレッキレのストレートをアンテナ横スレスレの間を狙い、若利のブロックの合間を縫った光太郎の一閃!!!しかし、この一発はアンテナを擦れており、アウトの判定。ストレートは完全に閉じていたにも関わらず、キレを見せた光太郎の一発はミスでありながらも周囲を畏怖させる。

されどそこで終わる木兎光太郎ではない。ロメロから放たれるサーブを翔陽の華麗なレシーブで繋がれた侑のトス。絶好調のストレートは警戒されている。ならばと彼は奮起する。決める一本は超インナーに放たれるクロスのスパイク!

ボクトビィィーーーーーーーーーーーム!!!!

もう、あのころとは違う。元気は最強の普通のエース。赤葦もホクホクな笑顔。大変なご満悦のようでボクも嬉しくなってしまいます。それでなくても光太郎のプレイも在り方もすべてが好きな自分にとっては活躍している光太郎を見ると、感極まってしまいます…!そして来たるは光太郎のサーブ…!

ここで時は遡ること春高バレー決勝。ラスト三枚ブロックに阻まれた光太郎のスパイクで、最終セットで惜しくも敗れた梟谷。乱れてトスになり得ないボールもトスに変えられる木葉のセットを決めきることこそがエースの在り方だと説いた光太郎。その考えに同意し、全部ひっくるめてエースの木兎光太郎に自分を責めないでくれとは言えなかった赤葦。二人の表情はとても印象的です。

そして、光太郎というエースと共に戦えたことで、今の景色が見られたことに誇りを持っている、木葉・猿杙・小見・尾長の後ろ姿はとても誇らしげで見るだけで涙腺が刺激されます。

時系列は戻り、光太郎のサーブ後。試合は少し動き、ソコロフが速攻を繰り出し、犬さんのレシーブが乱れる。翔陽は後方に流れたボールをアンダーでレフトに配した光太郎に繋げていくが、相手は三枚ブロックですでに光太郎の真ん前に。

だが、…しかし!今の木兎光太郎というエースに撃ち切れないボールは存在しない。

正面から真っ向勝負すると見せかけたモーションから背面に回っての背面ショット…!!すべてのボールを打ち切るべしと言わんばかり。これぞエースたる所以!!カッコイイ!カッコイイぞおおおおおお、光太郎!!!!

更にヤツの快進撃は止まらない!インナーに放つスーパークロス!!そしてこのタイミングでサーブのローテは侑に。侑の放つジャンフロは執拗に光来を狙う。しかし、後方で待ち構えた人喰い虎に何度も同じ手段は通じない。勢いを殺し、掴んだ一本は昼神の速攻に繋げるがブロックに弾かれてボールは後方に。しかし、侑が片腕でフォローし犬さんがフォローで光太郎に繋ぐ二段トス。でかもアンダーによるトスは処理が難しいが、ブロックアウトを狙う光太郎のスパイク。だが、昼神が狙われていたことを察してそのスパイクを避けるのであった…。

ブロックアウトを狙われることに対する警戒。代表決定戦の中島や小さな巨人たる宇内さんが手にして戦ってきたブロックアウトという武器。武器を持つ者に身長なぞ関係ない。技術を培い、磨いたものこそが勝利を手にする。世界は平等でないが、しかし平等なのだ。

そして試合は動き、翔陽のスパイク。レシーブに回った飛雄のファーストを平和島がフォローし、上げられた信頼というボールは光来に渡る。昨日を捨てて、明日に繋げろ。これを繋げられない俺に明日の居場所はないと、全身を鼓舞する。相手の前衛が付くのは三枚のブロック。ブロックアウト…?いや正面の翔陽は駆け引きで言えば超一流。だが空中で自由に舞う鴎は思考を止めずに状況だけを見極める…!!!!

何という超高度な空中戦!!!これには、鷲匠先生も宇内さんも笑わずにはいられない!だってそうだろう!小さき身長は不利な要因ではあっても、不能な要因ではない。世界は誰にだって平等で、平等じゃない。彼らの対戦はまさにその体現だ!!…しかもバレーボールにおいては180cmあろうとも小柄と例えられる残酷な世界だ。しかし、空中という平等な空間において研鑽された技術はそんな当たり前の事実を凌駕する!!翼を羽ばたかせ、空中を支配する光来と翔陽のプレイに180cm以上はある新米チビたちが度肝を抜かされるこの瞬間、たまらなく心を動かされます。体格ですべてが決まるなら、バレーはもっと単純だ。だが、そうじゃないからこそ面白いし、それにだからこそ、彼らはコートに立っているのだ。

試合は加速し、ロメロの2回目のサーブ。佐久早が返球するが狙われた箇所は今までと逆サイド。すなわち、犬さんと佐久早の間。レシーブからそのまま攻撃の体制に入り、トスはそのまま佐久早に。強力な回転がブロックを弾き飛ばし、得点を決める。

そんな佐久早の回転は小学生の時にすでにその才覚が発揮されていました。中途半端が嫌いな性質で、従兄弟である古森くんも同様な印象を持っていました。そして時間は進み、中学生の頃出会ったのが怪童、牛島若利です。左による違う回転を持った選手との邂逅はレシーブを鍛えるきっかけを与えてくれました。しかし、高校最後の春高に若利は来ることなく、若利を倒した烏野も翔陽の発熱で準々決勝で姿を消し、井闥山でも主将である飯綱の怪我による負傷退場を契機として犬伏東に逆転負けを期してしまいます。

 

かつて、若利は自らが強い理由を練習以外では運と佐久早に言い放ちました。そして敗北直後に主将である飯綱が残した、「いつか来る最後は、ぜっっったいに笑って終わってやる」という言葉と併せて、プロとなって今思うことは、「———注意深く手を尽くし、運よくいつ終わってもいい」ということ。そう思いながらプレイすること、それこそが佐久早が佐久早たる所以なのである。丁寧に、性格であろうとする彼のプレイがとても好きになれる話でした。

そして、そんな話題に出た若利ですが、彼もそれはまた大きな成長をしていました。超バレー馬鹿たる彼は強者であるために何度でも今までの強さを棄てました。

ロメロが上げたトマスの速攻。バックライトから若利へ上げた星海のトス。

佐久早をも吹っ飛ばす強烈な大砲。それは高校時代のフォームとは異なっていた。

動作は止まることなく、全てのパワーが左腕に集中する。常に最強であるために今までの強さを棄てて、最強をつくる。その左手のギフトは父が守ってくれた最高の贈り物。世界に通じるための王者の一撃は進化する。日本の大砲、牛島若利。やっぱ憧れちゃいますよね。

若利の一撃でまたも追い上げるアドラーズ。ブラックジャッカルが侑のサーブで押す展開と思いきや、アドラーズが追い上げる運命の第3セット。しかし、スコアは 24 - 23とブラックジャッカルの有利は変わらない。

ソコロフのサーブで始まるセットを取るかの大一番。犬さんのオーバーレシーブで綺麗に返った侑への送球。バックもラインも翔べる者は全て翔び、―――紛れる。ライト線に渡ったトスは佐久早によるスパイクで相手コートに襲い掛かる。対する若利のレシーブは大きくレフト側へボールを吹っ飛ばす。しかし、点は決まらずロメロが脚を使った渾身のフォロー。そしてコートには殺気に満ちた感情が波として押し寄せる。

Pega!!!

言葉は分からない。しかし、繋がねば殺すと言わんばかりの気迫。世界のトップに君臨し、常に勝利を取り続けた選手が放つプレッシャー。当然の如く、周りもトッププレイヤーだ。故にただの返球ではない。光来が放ったのは強打の一撃…!

だが、強者に当てられるのは何も味方だけではない。ブラックジャッカルの選手たちも影響される。そうだ、強いことは自由。強さは心地よく、とても楽しい。そんな強者を全部倒したい光太郎の一閃。しかし、その強さ以上に俺の方が強いと主張する若利。ブロックする光太郎だったがライト方面に激しく吹っ飛ばされ、、、たところを侑が繋ぐ!ファーストが侑でもブラックジャッカルには翔陽がいる。誰もが信頼し、攻撃するのは自分だと、決めてやるのは自分だと主張する。2も警戒する飛雄ではあったが、ここで決めて見せるが、翔陽の左腕ェ!トスをセッティングするかのフォームはまさかの2アタックで、抜群のスパイク!!!!体を操る抜群のセンスと鍛え上げられた体感が織りなす怒涛のスパイク!!!!!!全部できるようになるとはなにもそのプレーだけではない。体で全部できるようにすることそれすらも織り込んだ練習の日々。その在り方に涙が出る…!ブラックジャッカルの勝利に王手をかけた一手は翔陽が持っていく!なんでもできる、なんでもアリな日向翔陽に正に世界が注目する、怒涛の展開でありました。。。最高すぎる…。

王手に迫るブラックジャッカル、追うアドラーズ。怒涛の第4セット!

侑のサーブで開始を告げる第4セット。侑の心境はいつもシンプルだ。そう、称賛か罵声か、わかりやすいほうに居ればいい。だからこそ、点を決めた時の叫びは自らをさらに鼓舞する武器となる。

ここで侑がジャンフロからのノータッチエース!舞台は熱く燃え上がる!!そしてお次は緩急たるやスパイクサーブ。光来のレシーブ、ロメロのスパイク。両チーム攻めを止めない同時多発位置差攻撃。ラリーは続き苦しくなるが、それを断ち切る「ラリーの出口」たる若利の強烈な一撃!!!

更にスコアは動き、9 - 9。飛雄が放つサーブはアウト。サーブ権が変わり、光太郎のサーブ。平和島さんのレシーブでレフトからは若利。しかし、明暗のブロックで大砲の一撃は阻まれる!レフトでの攻防に、逆サイドからは飛雄への光来の叫び!ブロックされたボールをそのままセットし、光来のバックアタック!!しかし…!

明暗が動けず佐久早の一枚ブロックだけと思われたブラックジャッカルの壁は二枚!翔陽のどシャットが炸裂!!!!…バレーボールは上を見るスポーツ。光来と同等の視線を持つ、自分以上に小さな存在を視界に入れることは如何に他者の動きを把握して動くことに慣れている光来でもそこに"慣れ"は存在していないのだ。まさに反射神経と思考の融合だ!!!ビーチでの経験が活きていると感じる瞬間でもありました。すべてのボールは自分の責任と言わんばかりの執着が見事です。倒してみたいと春高で発したあの日から、6年。ついに実現したコート上での戦い。熱い…!熱すぎる展開です!!!!

ローテが周り、翔陽のサーブ。ロメロのレシーブでライトからは若利の強烈な一撃。乾坤一擲とも言えるその攻撃に翔陽は対応したが、奇しくもボールはアドラーズコートへ。同時多発位置差攻撃で攻めてくるアドラーズだったが、ライトからは強烈なオーラが…!当時の白布なら確実に、若利に。そして今の飛雄も連続で若利に。翔陽を叩き潰したいという若利の気迫に対し、ビーチで育んだ視線の向き、体の方向を観る観測者としての思考。そのすべてが若利のレシーブを正面で受け止め、…見事なレシーブ!!そして驚くはその綺麗なまでのレシーブ姿勢。彼は決して倒れない。膝をつかない。膝をつき、倒れることを経験してきた翔陽が今、決して倒れず、膝をつかずに強者からボールを拾うことができている。日々のトレーニングもバイトも落ち込んだあの日も、食べるときも、休む時も、眠るときすらも彼が培ってきた今の今まですべての瞬間はバレーボールなのだ。遠きに行くは必ず邇きよりす。かつて武田先生が授けた言葉のすべてを翔陽は遂げている。すべての道はバレーに通ず。全く見事なバレー道である。そんな道を作った翔陽のレシーブは侑に渡り、トマスがセンターからの速攻でスコアは14-11とブラックジャッカルのリードで試合は運ばれていく。

更に勢いは止まらない。2回目のサーブはライト後方に放たれ、平和島の後ろをピンポイントに仕留める!!しかし、アドラーズの動きも止まらない。スコアは進み、15 -12。13点目を決めたのは若利のサービスエース!!楽しい。強さは観ていても楽しい!更なる攻防を続ける両チーム。そしてスコアは18 - 15とブラックジャッカルがリード。サーブを放つは、背番号12の宮侑。厳しい厳しい乗り越えるべき展開ではあったが、ジャンフロに対してしっかりとレシーブする平和島さん。前衛に位置する飛雄には綺麗に返ったレシーブを受けて2の選択肢もあった。その2のモーションに入った飛雄は2ではあったが、放たれた一手は、、、

裏を読んだロングプッシュ。

18 -16とアドラーズがブレイク!この流れを持っていくかのように、次のサーブは飛雄。強くなればどんどん試合ができることへの高揚感。その高揚感はサーブに現れ、翔陽のレシーブを吹っ飛ばす。18 -17。執拗に狙うかのようにおまえを倒したいと言わんばかりの飛雄は次のサーブも狙いを佐久早と翔陽の間ではなく、翔陽のスペースに。しかし、これを上げる翔陽。すぐ立ち上がり攻撃の体制を緩めない。上げたレシーブは侑の元からエースたる光太郎に。されども平和島がそれをレシーブ!しかし、ボールは相手コートのアンテナ外へ。されども、飛雄は追い駆けアンテナの外からバックトスからの光来へのセッティング。

―――決めきってこそ、アタッカーたれ。

セットされたボールはコートエンドへ狙い撃ち!!!点を決めるスパイカーは確かにカッコイイが、そのカッコよさを極めさせているのはセッターの腕があるからこそ!目の前にある撃ちやすいボール。これが如何に素晴らしいことか!!!

このスパイクでスコアは18-18とブラックジャッカルに追いついたアドラーズ。ブラックジャッカルはたまらずTO。なぁ、楽しいよな。楽しいよな飛雄。俺ももっとお前たちの試合を見ていたい。楽しんでいたいよ。

TO明け、またも飛雄のサーブ。サーブトス後にちらっと見たBJサイドを観て、サーブの狙いを定める飛雄の正確無比さ。そしてそれを見破る翔陽の動体視力。見事なり…!声をかけた犬鳴さんに声をかけ、その犬さんもサーブの勢いを殺すナイスレシーブ!侑のトスは光太郎のもとへ送られ、ブロックの間を縫って攻撃しようとしたその瞬間。間は閉まり昼神のどシャットーーーーーーーッ!!アドラーズの4連続得点で逆転を許したブラックジャッカル。飛雄のサーブ後に訪れる殺伐とした空気。しかしそれでさえも佐久早の前では清浄な空気、不快のない空間そのもの。飛雄のレシーブを喰い、

―――喰らう。その安定感は努力が生んだ彼だけのものなのだ。

19 - 19とスコアが変わり、サーブ権はブラックジャッカルの光太郎に。一つ一つに魂を込め、その一点をかっさらう究極の一打。それこそがサーブ。

されど、その一撃は光来の手元に。されど一回で返球されチャンスボールとなって手合い。自分で取り返すのが華だと言わんばかりに、侑は光太郎にボールを託す。放たれたボールに魂込めて、一斉発射の大花火かと思ったその一発は意表を突いたフェイント!

―――観ているか、観ているか世界よ。これが大空を舞う梟谷のエースだ!

光太郎が決めた一点でスコアは20 - 19。リードしているとは言え攻防は続く。だがその攻防という名のラリーも靭さという武器がその場を圧倒する。

―――強者であれ。進化する強さに震撼しろ。

どんな状況すらも圧殺する圧倒的なパワー。若利が育んだこれまでは全て強者であるため。振られたボールは決めてこその強者…!

スコアは23 - 23。点の幅が縮まることを知らない20点以降。光来のサーブで始まるこのセッション。ネットインで前衛が揺らぎ、トマスがどうにか捌いたボールはライトへ。ネットに近く、高さもない余裕のないファーストタッチであったが翔陽はアタックのモーションで後ろマイナスの構え。アタッカーに多くの指でアタック迄を支えてやるのがセッターだと侑は言った。だからこそ低姿勢からの後ろマイナス!!

―――ここで放ってこそ、勝利をもぎ取る最高の一手。そこにあるのは歓声か罵声か。思い出など存在しない。

されど、ここで読んでくるのがずっと相棒であった影山飛雄。だが、それすらも読んで体を操るセンスで点を捥ぎ取るのが今の翔陽!打つ方向を変更し逆サイドへのスパイク!!!くぁああああああ!かっけえええええええええええええええええ!

遂にブラックジャッカルのマッチポイント。されどロメロはすかさず決めてデュース。明暗が決めて25 - 24。侑のサーブは光来が上げるが、乱れた。ボールはネット飛び越えるくらいまで上がるが、飛雄がここで片手でトス。それを信頼し、突っ込んでいたロメロのフェイント!決まったかと思いきや、ここぞと現れるニンジャ・ショーヨー!!!!光太郎に声をかけた翔陽と、侑。すかさずアンダーでトスを上げ翔陽スパイクの体勢へ。

―――飛べ。

中学最後の公式戦のラストを彷彿とさせる攻防戦。その対峙はブロックに阻まれたと思われた。しかし…!翔陽は落ちるボールを左足でカバーし、上げる。空かさず体勢を整えた翔陽は侑への無慈悲な信頼とばかりに、高速移動。ライトへと足を広げコートの横幅めいっぱい!しかし、

―――ヤツの本懐は最強の囮。

侑のトスはそのままレフトへ。そこにある壁は1.5枚。今の光太郎にその対応は最早無意味と叫ばざるを得ない!

決まったぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!

勝者、ブラックジャッカル。第4セットは26 - 24という劇的な展開で試合を終えた。まさしく今までのハイキュー!!史上最高の試合でした。

翔陽の成長で様々なプレイヤーが度肝を抜かれたことは作品をこうしてまとめてきた今、分かり切ったことではあります。ですが、度肝を抜かれた結果、プレイヤーとしてのライバル視をするだけではありません。これから切磋琢磨し、勝たねばならない強者だけの場所で頂点を目指す戦いがあるのです。

―――それこそ、2021年に控えた東京オリンピック

背中に見える、9番と10番の背番号。それは共に戦った在りし日の背番号と同じ番号。彼らはついに世界へと飛び立つのである。

ハイキュー!!が終わるその時まで。

いやぁもうね。こうやってまとめてきましたが、やはり終わってしまうのは悲しくもあります。でも最後の最後を心から楽しみにしている自分もいるんです。こうやって今までを振り返りながら、涙が出てくる作品って中々無いかなと思うんです。

だからこそ自分にとってハイキュー!!聖典なんです。ハイキュー!!を読む前からバレーボールに触れ、自らもプレイヤーだったこともあり読むたびに共感と驚愕にあふれていったのを覚えています。この作品を心から愛しています。プレイヤーだったときに実際にあった経験や高校の頃にこんなこと考えてプレイしてただろうかなどと言った想いが溢れてくる。社会人として仕事をしている自分でもまたバレーボールがしたいと心から思えてくる。作品からの熱に当てられて、自らの熱も上がっていく。バレーボールって競技は本当に楽しい。

ハイキュー!!が終わってもバレーボールは終わらない。バレーボールの楽しさを知った色々な人が影響を受けて、観る人もプレイヤーも増えてくれることを心から願っています。

最後、本当にラスト1話。心から楽しみにしています。